瞬間接着剤を注入して静脈をふさぐ治療です。
瞬間接着剤を使用するので英語で糊を意味するグルー(glue)治療と呼ばれています。
レーザー治療や高周波治療のように熱を使うことがなく、そのため合併症がほとんど起こらないことが特徴の新しい治療法です。
治療で使用するグルーについて
グルー治療で使用するグルーは、基本的には市販されている瞬間接着剤と同じものとなります。
主成分はシアノアクリレート(cyanoacrylate)という物質で、水に触れると急速に固まって物質を接着します。
ベトナム戦争の際に、スプレー型の製品が兵士の止血の目的で初めて人体に使用されたました。その後、傷の接着や胃静脈瘤、脳動静脈奇形の治療に応用され、今に至ります。
グルーは体内に入ると異物反応という炎症がおこり、静脈はふさがります。その後、ゆっくりと細かく分解されていきますが、5年以上はからだの中に残っていることが確認されています。長期間体内に残っていても、他の場所に移動することはなく、発がん性はありません。
医療機器について
厚生労働省が正式に認可したVenasealクロージャーシステム(以下ベナシール)を用いるため、保険診療が適用となります。
ベナシールはアメリカ食品医薬局(FDA)に認可された唯一のグルー治療です。
日本での認可は2019年と日が浅い治療なので、長期の治療成果はわかっておらず、最長の研究結果でも5年となっています。
しかし現時点では従来のレーザー治療や高周波治療とほとんどの差がない治療成果を確認できています。
治療の詳細情報
特徴
- 局所麻酔のみで手術可能(広範囲の麻酔が不要)
- 手術後の弾性ストッキングが不要、包帯も不要
- 手術後の安静にする時間が必要ないのでそのまま帰宅できる
- 手術直後より仕事が可能
- 合併症がほとんどない
治療に向いている方
- ご高齢の方
- 弾性ストッキングがはけない方
- 手術後すぐに仕事復帰したい方
治療に向いていない方
- アレルギー体質の方
- 血管の蛇行が強い(曲がりくねっている)方
- 膠原病、アトピー、シックハウス症候群、アレルギー体質の方