2025.09.17
コラム
下肢静脈瘤、何科を受診すべき?——血管外科の専門クリニック医師が教える“失敗しない”病院の選び方

はじめに|足の不調、それ“下肢静脈瘤”かもしれません
足の血管が浮き出ている、夕方にだるさ・むくみがひどくなる、夜中に足がつる…。
それらの症状、「下肢静脈瘤(かし じょうみゃくりゅう)」のサインかもしれません。
進行性の病気でありながら「命に関わらないから」と軽く見られがちですが、放置すれば生活の質を大きく下げるだけでなく、皮膚潰瘍や血栓性静脈炎などの合併症も起こり得ます。
では「何科を受診すればいいのか?」——多くの方が迷うこの疑問に、血管外科の専門クリニックの医師が正しく答えます。
結論|下肢静脈瘤は血管外科が第一選択
最初に行くべきはここ!
- 第一選択:血管外科
- 代替として:心臓血管外科
- 皮膚症状が強い:皮膚科 → 血管外科紹介
- 循環器疾患との合併がある場合:循環器内科 → 血管外科紹介
下肢静脈瘤とは?簡単にわかるメカニズム
足の静脈にある“逆流防止弁”が弱くなり、血液が心臓へ戻れず足にたまってしまう——それが下肢静脈瘤の正体です。
進行すると血管がコブのように浮き出し、足のだるさ・むくみ・夜間のこむら返り・皮膚のかゆみや潰瘍など、幅広い症状が現れます。
【警告】保険診療だからといって、どこで治療しても同じではありません
下肢静脈瘤の治療は、基本的に保険診療で行われ、全国一律の料金設定です。しかしここに、大きな落とし穴があります。
料金が同じでも、治療の質は同じとは限らない。
実際に、十分な設備も経験もないまま治療している医療機関も多く存在しています。そのような場所では、学会発表を行っていない、治療結果を公開できない、症例報告すら出せないという現実があります。
だからこそ、「近いから」ではなく「信頼できる血管外科の専門クリニックの医師を探すこと」が大切です。

「下肢静脈瘤の治療は基本保険診療で、全国の料金も一律となっています。しかし、だからといって治療のクオリティと効果が一緒なわけではありません。むしろ、保険診療を利用していい加減に治療しているところがかなり多く存在し、学会での発表も行っていません。なぜならば、やっていることを公開できないからです。私たちは学会で発表し、日々努力している成果を論文化し、同業者や他のドクターから違う意見を求めて、より高いレベルの治療を患者様に提供したいのです。」
受診の判断基準|あなたは以下の症状に心当たりありませんか?
- 見た目のコブ状の血管、青黒く浮いた血管
- 長時間の立ち仕事・座り仕事で足が重くなる
- むくみが取れず、靴下の跡が深く残る
- 夜間のこむら返り(脚がつる)
- 皮膚のかゆみ、湿疹、色素沈着
- 傷が治らずに潰瘍化してきた
- 血管の痛み・赤み(→血栓性静脈炎の可能性)
これらの症状がある方は、できるだけ早く血管外科の受診をおすすめします。
よくある受診科の違いと注意点
診療科 | 特徴 | 向いているケース |
---|---|---|
血管外科 | 静脈瘤の原因である逆流の診断と治療に最も適した科 | 最初に相談すべき科 |
心臓血管外科 | 血管外科の代替として選択可能。大病院に多い | 地方など血管外科が少ない場合 |
皮膚科 | 皮膚症状(湿疹・色素沈着・潰瘍)への対応 | まず皮膚症状を診てもらいたい場合 |
循環器内科 | 血流や心臓疾患との関連を見る | 心疾患合併のある方 |
信頼できる医療機関を見分ける3つのチェックポイント
① 血管外科の専門クリニックの医師がいるか
公式サイトで「下肢静脈瘤の治療実績」「血管内焼灼術の件数」「学会活動や論文発表の実績」が明記されているか確認しましょう。
② Google口コミは100件以上が目安
数件だけの口コミは信用できません。 口コミが100件以上あり、4.5以上の高評価を維持している医療機関は、診療体制・説明・結果すべてにおいて一定の信頼を置けます。
③ SNSなどで発信している医師は安心材料に
SNS(Instagram・TikTok・YouTube)、ブログ等で積極的に情報を発信している医師は、考え方・治療方針・人柄が伝わりやすく、信頼関係を築きやすい傾向があります。
治療内容の違いも確認を
- 保存療法:弾性ストッキング、生活改善
- 血管内焼灼術(レーザー・高周波):日帰り対応可、再発率が低い
- グルー治療:日帰り対応可、再発率が低い
- 硬化療法・ストリッピング:症状や体質に応じて使い分け
- 再発予防:術後の生活指導・長期経過フォローが大切
セルフケアも効果的(でも限界あり)
- 足の挙上、つま先立ち運動、こまめな歩行
- 塩分・体重コントロール
- 医師の指導による弾性ストッキングの正しい使用
ただし、逆流した血管は自然には元に戻りません。 セルフケアは進行抑制にはなりますが、根治には適切な医療が必要です。
よくある質問(FAQ)|「下肢静脈瘤は何科?」で迷ったら
Q1. まず内科や皮膚科に行ってもいい?
A. 受診自体はOKです。原因が静脈であれば最終的に血管外科/心臓血管外科へ紹介されるケースが多いので、可能なら最初から血管外科が最短です。
Q2. 市販の塗り薬やサプリで治る?
A. 症状の緩和はあっても、逆流の“原因血管”が自然に治ることは稀です。専門医で原因と重症度を見極め、最適治療を選ぶのが安全・確実です。
Q3. 保険は使える?費用はどのくらい?
A. 保存療法や標準的な血管内焼灼術は適応要件を満たせば保険適用になることが多いです。症状・重症度・治療法で自己負担額が変わるため、事前に見積りを確認しましょう。
参考:大阪静脈瘤クリニックの料金表ページ
Q4. 再発はしますか?
A. 体質や生活要因で新たな逆流が出ることはあります。専門医による正確な逆流源の同定、術後の生活指導・弾性ストッキング活用が再発抑制に有効です。
Q5. 妊娠中・産後はどうする?
A. 妊娠中は静脈うっ滞が起こりやすく、症状が目立つことがあります。時期によって選べる治療が異なるため、産科と連携しつつ血管外科で方針を相談してください。
まとめ|“まだ大丈夫”と自己判断せず、足の健康を守る第一歩を

下肢静脈瘤は、血管の逆流という明確な原因がある進行性の疾患です。
近い場所だから、保険診療だから、ではなく、「誰に診てもらうか」「どんな考えの医師か」で治療結果が変わるという事実を、ぜひ知ってください。
下肢静脈瘤の症状を感じたら、信頼できる血管外科の専門クリニックの医師に早めに相談しましょう。
下肢静脈瘤の治療は大阪静脈瘤クリニックにお任せください
私たち大阪静脈瘤クリニックは、患者様の「見た目」と「症状」両方に寄り添い、納得のいく治療を提供する血管外科の専門クリニックです。
初診時の超音波検査から保存療法、血管内治療、硬化療法まで、一人ひとりに最適な治療をご提案しています。
口コミ500件以上/★4.9の評価も、安心の証です。お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
院長 佟 暁寧