2025.11.25
コラム
【血管外科専門の医師が教える】赤ら顔がレーザーで治らない本当の理由|効果が出ない原因と“根本治療”

赤ら顔の治療を調べると、必ず出てくるのが VビームやYAG などのレーザー治療。
一方で、
- 「Vビーム受けたけど効果なかった…」
- 「何回もレーザーしたのに赤みが戻る」
- 「むしろ悪化した気がする」
こうした声も非常に多いのが現実です。
結論から言うと、
赤ら顔にはレーザーが効くケースと、効かない(または効きにくい)ケースが明確に分かれています。
そして、血管が原因であれば、
レーザーより“フェイススクレロセラピー”のほうが根本治療に近い場合があります。
この記事では、
- 赤ら顔にレーザーが効かない理由
- レーザーで改善する赤み、しない赤み
- 治らない赤みの見分け方
- 最新の“血管治療”フェイススクレロセラピーとは
- レーザーに限界がある理由(医師視点)
まで、やさしく丁寧に解説します。
1. 赤ら顔にレーザーが効かない理由は「原因」にある
赤ら顔は“1つの原因ではない” という点が最重要です。
赤ら顔には大きく分けて3タイプあります。
① 血管が拡張して起きる赤み(血管性)
- 毛細血管拡張症
- 酒さ(血管拡張が主体のタイプ)
- 加齢による血管の太さ・走行異常
→ レーザーが効くこともあるが、効かないケースも多い
② 肌の炎症による赤み(非血管性)
- 脂漏性皮膚炎
- ニキビ
- バリア機能の低下
- 摩擦・刺激
→ レーザーをしても根本改善しない
③ 血管が深い・太い・蛇行している血管性の赤み
- レーザーが届かない深さ
- レーザーが反応しづらい太さ
- 血管が蛇行して一部に熱が入らない
→ レーザーの限界領域
→ 血管外科領域の治療が必要になる
2. なぜレーザーで治らないのか
多くのクリニックでは「レーザーをやれば赤みは良くなる」という前提で説明されます。しかし、効果が出ない人が一定数いるのは、次の理由です。
理由① “血管の深さ・太さ” がレーザーで届かない
レーザーは光で血管を加熱する仕組みのため、
深い・太い血管への熱エネルギーの到達が弱くなります。
▼レーザーが苦手な血管
- 深い層(真皮深層)の血管
- 太く発達した血管
- 一本の太い血管がそのまま赤みの原因になっているケース
これらは Vビームでもジェントルヤグでも効果が限定的 です。
理由② “赤みが広範囲すぎる” とエネルギーが散ってしまう
もやっとした広い赤み=
1本の血管ではなく無数の細かい血管が網目状に拡張している状態
レーザーは狙う対象が多すぎると 熱が分散して弱くなる ため、改善が乏しくなります。
理由③ 酒さの赤みはレーザーだけでは不十分
酒さは
血管 + 皮脂腺 + 免疫 + 炎症 + 皮膚常在菌
が複合的に絡む病気。
そのため…
レーザーだけでは根本原因に届かず、再発しやすい。
理由④ そもそも赤みの原因が“血管ではない”
脂漏性皮膚炎、ニキビ、バリア低下は
レーザーの対象外です。
3. レーザーが効きやすい赤み・効きにくい赤み
■ レーザーで改善しやすい赤み
- 毛細血管拡張症
- 表面近くの細い血管
- 酒さの軽症タイプ
■ レーザーで改善しづらい赤み
- 深い血管による赤み
- 太い血管が原因の赤み
- 目の下・小鼻の赤み(血管が複雑)
- 長年続く慢性の赤み
- 酒さ+炎症が混ざっているケース
4. レーザーを何回やっても治らない人の特徴
■ 5回以上レーザーをしても変わらない
→ 血管の深さ・太さが原因の可能性が高い
■ 赤みが一時的に薄くなるがすぐ戻る
→ レーザーが血管を「縮小」しているだけで根本的に閉じていない
■ 小鼻〜頬の境目だけ赤みが残る
→ 走行異常の血管が隠れている典型例
5. レーザーの限界を超える治療「フェイススクレロセラピー」とは?
フェイススクレロセラピーとは、
表面の赤みではなく “赤みを起こしている血管そのもの” に直接アプローチする治療。
■ 治療の仕組み
- 超極細の針で、赤みの原因血管に薬剤を注入
- 血管を閉塞させ、自然吸収を待つ
- “根本原因” の血管を処理できる
■ レーザーとの違い(最大の特徴)
| レーザー | フェイススクレロセラピー |
|---|---|
| 表面の赤みに反応 | 赤みの原因血管そのものに直接作用 |
| 深い血管は届かない | 深い・太い・蛇行血管でも可 |
| 回数を重ねる必要 | 少ない回数で改善する例が多い |
| 反応する色素が必要 | 色素に依存しない |
レーザーが効かない赤みこそ、有効。
6. 「レーザー効果ない=治らない」ではありません
赤ら顔治療は、
“合わない治療” を数年続けている人が非常に多い です。
レーザーが悪いわけではありません。
ただし、
- 原因が血管
- 血管が太い
- 深い
- 蛇行している
- 慢性の赤み
- 小鼻〜頬の境の赤み
こうしたケースは レーザーの特性と合わない ため、治らなくて当然です。
7. 赤ら顔治療で失敗しないためのポイント
■ ① “原因診断” から始める
レーザーに入る前に、
- 血管エコー
- 皮膚状態
- 酒さ評価
- 血管の走行
などの診断が重要。
■ ② レーザーと血管治療を使い分ける
- 表面の赤み → レーザー
- 深い・太い血管 → フェイススクレロセラピー
両方を適切に使い分ける必要があります。
8. まとめ|レーザーが効かない赤みには“別の原因”があります
赤ら顔はレーザーだけで完全に治るものではありません。
レーザーで治らない人には
治らない理由が必ず存在します。
- 深い血管
- 太い血管
- 走行異常
- 慢性赤み
- 炎症性赤み
- 酒さ関連
- 血管性+炎症性の混合タイプ
こうした赤みには、レーザーだけでは限界があります。
そして、
血管が原因の赤みは “フェイススクレロセラピー” が根本治療に最も近い選択肢です。
よくある質問
赤ら顔にレーザーが効かないのはなぜですか?
赤ら顔の原因が「血管」ではなく、炎症・バリア機能の低下・脂漏性皮膚炎などによる赤みの場合、レーザーを当てても改善しないことがあります。
また、深い位置にある血管・太い血管・蛇行した血管は、レーザー光が十分に届かず、効果が弱くなることがあります。
レーザーで治らない赤ら顔でも治療法はありますか?
はい、あります。
特に、血管が原因の赤みはレーザー以外の治療が効果的な場合があります。
とくに、深い/太い血管にも対応できるフェイススクレロセラピーは、血管そのものを閉塞させることで、赤みを根本から改善できる治療法です。
「Vビーム」と「フェイススクレロセラピー」はどう違いますか?
- Vビーム:赤い色素(ヘモグロビン)に反応するレーザー。表層の細い血管に効果的。
- フェイススクレロセラピー:薬剤を直接血管内(毛細血管レベル)へ作用させ、深部の血管や太い血管にも対応できる根本治療。
レーザーで届かない血管にもアプローチできる点が大きな違いです。
レーザーを繰り返しても赤みが改善しません。なぜですか?
5回以上レーザーを受けても変化がない場合、
診断が誤っているか、
レーザーの特性と赤みの原因が合っていない可能性があります。
深い血管・太い血管が原因の赤みはレーザーが届きにくく、フェイススクレロセラピーなど別の根本治療が必要になるケースが多いです。
赤ら顔の根本治療なら、大阪静脈瘤クリニックへ
大阪静脈瘤クリニックでは、
血管外科の医師が顔の血管を診断し、原因に応じて治療を選択しています。
- VビームやIPLで改善しなかった赤み
- 何年も続く慢性的な赤み
- 小鼻や頬の境目の赤み
- 血管による赤みが疑われるケース
こうした症状に対し、
フェイススクレロセラピーを中心とした根本治療を提供しています。
まずはお気軽にご相談ください。
フェイススクレロセラピーについてもっと詳しく知りたい方はこちらもお読みください。
この記事の監修者
院長 佟 暁寧





